皆様、お世話になっております。
9号です。
1/300大和が完成したので作品紹介をしつつ大和(実艦)について書いていきます。下記の注意点に目を通したうえでお読みください。
・作品紹介2、実艦について8くらいの力配分です
・実艦についての部分はお気持ち表明多めです
・実艦についての知識は結構浅いので誤ったことを書いていたら優しく教えて下さい。
作品紹介
今回製作したのは大和型戦艦の一番艦、「大和」です。時期は昭和17年2月12日を想定しています。この時期を選んだのは、大和は副砲撤去前が最もかっこいいと思っていること、連合艦隊旗艦という肩書きをつけたかったことが理由です。副砲を撤去し対空兵装を積んだ姿は大和の純然たる戦艦としての価値を下げているように感じてあまり好きになれません。また、特攻的性質を含んでいた坊ノ岬沖海戦に対して肯定的に捉えられないという間接的な理由もあります。

艦首部は1幅プレートの交互組みを無理やり曲げて曲線を作っています。新茶ほどではないですがダークレッドも割れるときは割れるので結構怖いです。

大和の代名詞ともいえる45口径46cm3連装砲(以下大和砲と呼称)と最上型から転用された155mm3連装砲です。大和砲はtsukiさんの作例も参考にさせていただき結構満足いく出来上がりになりました。一方で副砲は及第点くらいの出来です。このスケールだと防水用キャンバスの表現がどうしても上手くいかなかったのでいいアイデアを思いつけば改修したいです。

大和の艦橋は中ごろの高さから基部まで台形状に広がっており、この再現が最も難しいポイントでした。結果、この台形部分を再現するためにその他の形状が再現しきれずこれまた完璧とは言い難いものになっています。レゴで作る以上ある程度は造形の取捨選択が必要になりますが、改良の余地がある部分は機会があれば直していきたいと思います。逆に25mm機銃は1/300スケールで作る以上これ以上の再現は無理、と割り切っているポイントです。
信号所甲板後方の信号桁(後方に2本突き出た1×4タイル)についてはながに君に「なんで水中ガンで再現しなかったの?」と聞かれました。私は特に深く考えず1×4タイルが最適だと思っていたのでよい刺激になりました。価値観の交換って大事ですね。

背後に見える1幅新茶タイル、端が欠けてますね。新茶が割れやすいの本当に改善してほしい。
後部甲板はリノリウム貼りの夜間通行帯を再現する代わりに飛行機運搬軌条の再現を諦めています。飛行機運搬軌条は1/300で再現するには細かすぎる上、遠目から見て存在感があり再現がマスト(だと思っている)夜間通行帯との両立は不可能だと判断したからです。この取捨選択についてはある程度納得しており、そこそこ満足のいく出来となっています。飛行機運搬軌条を再現する良いアイデアを思いつけば改修するかもしれませんが。

船オフに間に合わせようと私にしては急ピッチの製作でしたが、結構納得いく出来になりました。次はアイオワを作りたいなあと考えています。日米の最強戦艦を並べるってすべての男の永遠の夢ですからね。
実艦解説
実艦解説の前座として、戦艦の攻防力について基本的な解説をしていきます。これを知ると戦艦についての解像度が一段上がるように思います。私の知識ではふわっとしたことしか書けませんが、より詳しいことが知りたい方は「艦砲と装甲」というサイトをのぞいてみてください。
戦艦の防御力(安全距離)
戦艦の防御性能を表す指標の一つに「安全距離」というものがあります。砲塔やバーベットにもありますがここでは船体の説明を。例えば、大和の自砲(46cm砲)に対する船体の安全距離は19.5km~33kmと表され、この間であれば船体のバイタルを抜かれないという意味になります。
ここで「なぜ安全距離に上限があるんだ?」と思われた方もいるかもしれません。これは、より遠距離から発射されるほど命中するときの落角が大きくなり、甲板への打撃力が増加するからです。さらに、落角が大きくなるほど舷側より甲板へ命中する確率が上がります。極端な例を出すと、落角0度(水平に砲弾が飛んでくる場合)だと100%舷側に命中しますが、落角90度(真上から砲弾が落ちてくる場合)では100%甲板に命中します。
近距離側の安全距離については、近ければ近いほど舷側装甲を抜かれやすくなる、という意味なのでイメージしやすいかと思います。注意しなければならないのは舷側側の防御力は対敵姿勢によって変化するということです。真横から命中する場合に比べて、角度がついて命中する場合は貫通力が落ちます。wowsやっている人は想像しやすいでしょう。安全距離の近距離側は基本的に真横から命中する場合を想定していますが、実際の戦闘では角度がつくことも多々想定されます。甲板に命中する場合は対敵姿勢によって貫通力が変化しないことをふまえると、舷側側の安全距離は甲板側より変動が大きいといえるでしょう。
安全距離の説明の最後に補足を。戦艦の防御力の指標となる安全距離ですが、絶対的な指標ではないということには注意が必要です。前述したように舷側側の安全距離は対敵姿勢によって変化しますし、装甲板の継ぎ目や波の影響による艦の傾斜など変動要素は多々あります。さらに、バイタルパート以外の部分への命中弾も考えられ、推進軸への命中などは戦闘時に大きな影響を及ぼすでしょう。あくまでも指標のひとつとして捉えていただければと思います。
戦艦の攻撃力
次に戦艦の攻撃力について。口径(内径)が大きくなるほど攻撃力が大きくなることは自明ですので砲身長について説明を。長砲身になればなるほど精度が向上する上に初速が速くなり、威力が向上します。一方、初速が速くなると落角が小さくなり甲板への打撃力は低下します。アイオワ(50口径)よりサウスダコタ(45口径)の方が戦艦として優秀という説はこの点が考慮されているようです。アイオワが金剛対策として建造された経緯を踏まえるとアイオワがサウスダコタの完全上位互換ではないことは確かでしょう。アイオワの防御性能はサウスダコタと同様45口径対応だそうですし。
大和について
戦艦大和はその大きさや最期から兵器としての「戦艦」よりも(肯定的なものも含めて)シンボリックな存在として言及されることの方が多い状況です。これが大和の知名度に寄与したとも捉えられますが、知名度の割に純粋な兵器としての評価が足りていないようにも思われます。この記事にはこのような認識の偏りを変えようという意思も認識の是非について論じようという意図もありません。私の戦艦大和に対する純粋な兵器としての認識を記しておこう、とうのが最大の目的です。
さて、まずは大和の攻撃力について見ていきましょう。大和の主砲は言わずと知れた45口径46cm砲です。砲弾性能が多少悪かったそうですが、サイズの暴力で不利を打ち消しています。大和砲を上回る性能をもつのはノースカロライナやサウスダコタが装備する45口径16インチ砲(SHS)のみ。それも20km台後半の甲板への打撃力だけです。
大和の防御力は他戦艦と比べても圧倒的な上、自砲である大和砲に対しても過剰なほどです。舷側は貫通力おばけの大和砲・アイオワ砲に対して20kmまで、その他の砲に対しては15km付近まで耐えられます。甲板についても、30km以内で貫通可能なのはダコタ砲のみです。砲塔前盾に至ってはどの砲(大和砲含む)をもってしてもあらゆる距離で貫通不能。砲塔前盾を抜くにはもう飛び上がって撃角をできるだけ深くとるしかないでしょう。

このように大和の総合的な攻防力は他戦艦と比べると圧倒的ですが、基準排水量64,000トンという「デカさ」を活かした力業ゆえの性能差ともいえます。局所的には大和の性能を凌駕、あるいは匹敵する艦はおり(ヴィットリオ・ヴェネトの垂直装甲やダコタ砲の対甲板打撃力、アイオワ砲の対舷側貫通力など)、むしろこれだけ船体のサイズ差があればもっと性能的に飛びぬけていてもよいのでは、という気持ちも若干あります。「実際に建造された戦艦の中では比肩しうる艦がいない規格外の存在だが、サイズを考慮すると割と平凡な性能」というのが私の現時点での結論です。
最後に、大和とライバル扱いされることの多いアイオワとの対比について。数字上の攻防力対決では流石に分が悪すぎます。アイオワの対大和砲安全距離は25.5km~30kmなのに対して、大和の対アイオワ砲安全距離は19.5km~33km。現実的な交戦距離である10km台後半から20km台中ごろまでの砲戦では大和が圧倒的に優位です。ですが、アイオワは条約の都合で基準排水量を45,000トンに制限されながら建造された艦ですし、この排水量で計画速力33ノット、16インチ(+SHS砲弾)への対応防御を備えている点は見方によっては大和よりすごいと思います。そもそもアイオワは空母機動部隊への随伴を考慮し、金剛以下日本の前衛艦隊との交戦を前提に計画された経緯を踏まえると「大和とアイオワを比べることはナンセンス」という結論にたどり着くのは自然な流れでしょう。
かなり大和のストロングポイントのみにフォーカスしてきましたが、もし大和が積極的に前線に投入されていたとしても戦局は大きく変わりはしなかったでしょう。仮に第三次ソロモン沖海戦で霧島の代わりに大和がいたとしても、霧島が(当たり所がよく)耐えることのできた超近距離(7000m)からのダコタ砲にバイタルを抜かれて爆沈する可能性もあれば、霧島では歯が立たなかったダコタのバーベットを大和砲で貫通できていたかもしれません。実戦における戦艦の性能差はラッキーヒット一発でひっくり返る些細なものとも言えるのです。しかし、実際に建造された艦の中で大和の総合的な攻防力に比肩しうる艦が存在しないことは紛れもない事実です。他国が(結果的には)到達しえなかった18インチ級戦艦という舞台に到達し、2025年現在もなお砲装軍艦の歴史における最高峰として君臨する大和を嫌いになる方が難しい、というのは買いかぶりすぎでしょうか…。
おわりに
以上、大和の作品紹介(という名の大和語り)でした。完全に余談ですが、私は艦これの大和も非常に好きです。ビジュアルや声ももちろんですが、ゲーム内最強のステータスや最高神である天照大御神をモチーフにしたコンセプトも含めてとてもよいキャラだと思います。大和は天照大御神、武蔵は須佐之男命モチーフらしいので、信濃は月夜見尊がモチーフになるでしょう。大和型のモチーフに最高神含む三姉弟を割り当てる解釈、最高すぎます。他の二神と比べて知名度が低いツクヨミが史実でほとんど活躍できなかった信濃に割り当てられるのも解釈一致。
文章を書くのが面倒くさくて更新が滞っていましたが、書きたいことがあると結構筆が乗りますね。これからは作品紹介にかこつけたお気持ち表明文主体で更新していこうと思います。


























