9号の鎮守府

レゴについて書きます

1/300レゴ飛龍の各部解説&製作裏話 その1 艦首部分編

このブログ読んでくださっているのはTwitterの知り合いの方がほとんどだと思いますが、万が一Twitterの私を知らない方が読んでくださっている場合に備えて、レゴ1/300飛龍の完成形を置いておきます。この記事は解説中心になる関係上、全体像はあまりアップしないと思うので。

 

こちらはリメイク前の飛龍です↓

 

では飛龍の解説を始めていきます。日本語に全く自信がないので「何言ってるのか全然わからん!」って所もあると思います。てか絶対あります。わからないところはオフ会等で質問してください。目に余るようならコメントやツイートでその旨指摘していただけるとありがたいです。それではどうぞ。

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左から写真①(リメイク後)、写真②。②のシアーは説明のため実際よりキツめです

艦首を作るにあたってまず決めておかなければならなかったのは写真②のABCDの長さです。2019年春に作ったときはA(飛行甲板厚)が1ポッチ、Bが1ポッチ、Cが1ポッチ、D(乾舷)が3ポッチでした。しかしこれでは(乾舷)が低すぎる上にC+Dが高すぎるため、シアーがキツ過ぎになっていました。飛龍の艦首というのは蒼龍と比べて乾舷が高く、シアーも全然きつくないものとなっています。準同型艦の蒼龍というより、翔鶴型っぽい艦首ですね。というわけで今回のリメイクはABCDの長さを決めなおすところから始まりました。

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左から写真③、写真④。写真④のポッチ配分(Aが1ポッチ、B+Cが4プレート、Dが3ポッチ+1プレート)はリメイク後のものです

が、早速壁にぶち当たります。A(飛行甲板厚)がどうしても分厚過ぎになってしまうのです。飛行甲板にある飛行甲板中心線や風向標識を再現する都合で、最低でも1ポッチの厚さが必要なのですが、写真④を見ていただければわかるように1ポッチでは分厚すぎなのです。

それの何が問題なのか。それを説明するためちょいと脱線します。戻って来られる気がしない。キャプションにあるように写真④のポッチ配分はリメイク後のものですが、リメイク前はA(④の赤部分、飛行甲板厚)が1ポッチ、B+C(④の黄色部分)が2ポッチ、D(④の灰色部分)が3ポッチであったことは前述の通りです。つまり、リメイクによって、B+Cが1プレート低くなり、その分D(乾舷)が1プレート高くなったわけです。(A+B+C+D、海面から飛行甲板までの高さは変わらず)

 

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左から写真⑤(リメイク後)、写真⑥、写真⑦

乾舷を高くすることが今回のリメイクの大きな目標の1つだったわけですが、その皺寄せでB+Cが2ポッチから4プレートになったことが曲者です。釈迦に説法だとは思いますが、4プレートと2ポッチでは使い勝手が全く違います。高さが2ポッチあれば写真⑥のような前部格納庫の壁の曲線も難なく再現できるでしょう。「5プレート」ではなく「2ポッチ」としてパーツを選べるのです。しかし、4プレートの高さでこの曲線を再現するのはなかなか大変です。5プレート=2ポッチの変換を使えないため、プレートを4枚積み重ねるしか方法がないのです。ウェッジプレートを重ねると側面の見栄えがあまりよくありません(写真⑦の左)。かといって普通のプレートを重ねて角度をつけると、角度を変えた部分の面処理が上手くできません(写真⑦の右)。

しかしそもそも、B+Cの高さは正確に1/300で計算すると5プレート=2ポッチが正解なのです。ではなぜ4プレートで再現する羽目になっているのか。ここで飛行甲板の厚さ問題が出てきます。本来より飛行甲板が厚くなってしまったため、その皺寄せが、B+Cが4プレート分になるという形で現れてしまったのです。

解決策としてB+Cを2ポッチにして、海面から飛行甲板までの高さ全体(A+B+C+D)を1プレート分高くすることも考えましたが、これを採用することは断固として阻止せねばなりません。艦首部分は作りやすくなるかもしれませんが、そのツケとして艦尾まで、艦全体が1プレート高くなってしまいます。フネの顔とはいえ、艦の一部分を優先するがあまり全体のバランスを崩してしまうビルドは私はあまり好きではないのです。

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左から写真⑧、写真⑨

 という経緯でB+Cを4プレートとして再現することになりましたが、前述のように綺麗な曲線を4プレートで再現するのは無理という結論に達しました。そこで考えた解決策が、2ポッチの高さで組んで、その下1プレート分を甲板にめり込ませて隠す方法です。しかしこの方法も問題がないわけではありません。めり込ませるにはリノリウム甲板をそれに合わせてカットする必要があります。しかしレゴのスロープブロックはそのまま重ねただけでは綺麗なスロープにはなってくれません。なんでやねん。なんとかしろレゴ社。天城を作ったときは0.5プレートずらすことで綺麗なスロープを作りましたが、今回はそんな小技が使えるスペースはありません。艦首付近はただでさえスペースが狭いうえ、シアー表現や錨鎖のスペース確保、甲板の色が途中から変わることによる強度低下(リノリウム甲板再現のため)などの要因によって常にギッチギチなのです。

綺麗なスロープ表現を諦めたため、写真⑧のようにリノリウム甲板と前部格納庫の壁の間に隙間ができてしまいました。しかし、飛行甲板が上から多少は隠してくれるため、被害は最小限に抑えることができたと思います。

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左は写真⑩、右は写真②

 次の話題に移りましょう。艦首のシアーについてです。ここはイリーガルビルドになっており、あまり褒められたものではないのでサクッといきます。

前述の通り、リメイク前はCが1ポッチ、Dが3ポッチで、の1ポッチに菊の御紋章をつけていました。しかし写真③を見ればわかるようにの高さは3ポッチ+2プレートが適切でした。リメイク前は高すぎだったのです。また、菊の御紋章は本来C+Dよりも上にあります。そこで菊の御紋章を垂れポッチを用いてC+Dより上に配置。シアー再現によって生じた3ポッチと1プレートの間の隙間を垂れポッチで埋めるかたちになっています(写真⑩参照)。菊の御紋章の位置がリアルになった上、あるかどうかわからないレベルの微妙なシアーも上手く表現できたのではないかと。

 

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 錨鎖です。短い鎖を持っていなかったのですが、「長い鎖でもなんとかなるやろ」と発注を怠ったためにえらい目に遭いました。鎖のスペース確保がもうしんどいのなんの...。次は短い鎖買います。飛行甲板で隠れるので大方の前部甲板上の突起を省略したたのに、錨鎖だけは省きたくないという謎の意思。

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飛行甲板です。飛龍は飛行甲板中心線が右舷側に寄っているようなのですが、これを再現するかは非常に悩みました。日の丸の位置を中心のままで中心線だけ寄せるなど私には到底できません。中心線を寄せるなら日の丸も寄せることになってしまうのです。

結局日の丸が寄ることには目をつぶって中心線を右舷に寄せました。プラモの作例を見ても中心線寄ってない作品があったりして結構ガバガバだったのでまあいいか...と。

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 艦首飛行甲板下の機銃です。一応何も見ずに作ったので私が発案したと思っています。どうなんだろ。銃身の色は新濃灰のほうがリアルに近いのですが、右舷後方のシールド付き高角砲の砲身に黒しか供給されていないパーツを使いたかったので、統一させるために黒のフィグハンドを使っています。写真では断面が手首に対して垂直なフィグハンドを使っています。他に、断面が手首に対して斜めになっているフィグハンドもあるみたいですね。前者のほうが見栄えがいいのでできる限りこちらを使っていこうと思います。探すのめんどくせぇ

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一応比較用。キャットウォーク(?)はできるだけタイルを反転させて再現するようにしています。

 

 

さて、艦首部分のみですがいかがだったでしょうか。説明がわかりにくい?ええ、存じ上げております。よくもまあここまでわかりにくい説明が書けるものだと我ながら呆れ返っておりますので。いっそオフ会での会話のきっかけとして割り切ろうか...などと伝えることを半ば諦めてすらいます

しかし、致し方ない部分もあるのです。今回は解説&製作裏話ということで順序だてて説明しましたが、作っているときはこんなに理路整然とした思考をしているわけではありません。各部とのスペースの兼ね合いや、全体のバランス、強度等の要素も同時並行で考えているため、今回説明した様々なアイデア(没になったものも含む)を何度も行き来し、組んでは崩しを繰り返し、ようやく理想的なカタチに近づいていくのです。そして次の日、昨日完成したと思った部分の盛大なミスに気付くまでがワンセット。レゴラー諸氏ならわかっていただけるのではないでしょうか...。

また、再現モデルというのは、製作の苦労は同じ題材を作った人同士が一番分かり合えると考えています。もし1/300飛龍を完成させた人がいるなら、徹底的にお話ししたいな...と思ったり。望み薄ですが(笑)

 

とりあえずこのページはこれで終わりです。が、まだまだ艦首部分でも説明しきれていないところもありますし、説明が不十分なところもあります。また書き直します。気が向けば。なにより、艦首より後ろの解説も残っています。今回よりもわかりやすい解説が出来るよう頑張ります。

それでは。